宣誓の下で行われる裁判所外での証言録取です。 Examination before trialとも言われます。 速記者による記録及び書写しが要求されます。 原則として、10を上限とし、また同じ当事者に対しては1回のみ許されます。 |
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宣誓の下で行われる裁判所外での証言録取です。 Examination before trialとも言われます。 速記者による記録及び書写しが要求されます。 原則として、10を上限とし、また同じ当事者に対しては1回のみ許されます。 |
審理で証言する専門家証人の正体及び証言の性質に関する情報を強制的に交換するものです。
当事者が不当にこの要件を遵守しなかった場合、異議申立てがあっても理由がなければ、専門家証人による証言を証拠として採用することはできません。
当事者の精神的又は身体的な状態に争いがある場合、精神又は身体についての検査が許可されます。
検査対象者は、後に医療報告書の写しを請求できます。
相手方が所有、管理等している文書等を閲覧してDiscoveryを行うものです。
電磁的記録も対象となります。
質問書によるDiscoveryです。
一当事者が質問書を相手方に送付し、相手方はこれに回答しなければなりません。
基本的には求められた情報を提供するか、又は異議を述べます。
また、回答は、完全かつ直截的である必要があります。
ただし、一定の場合には情報を提供しなくてもよいとする例外があります。
なお、Interrogatoryは、原則として、25以下に制限されています。
アメリカでは、日本にはないDiscoveryという手続があります。
この手続の趣旨は、審理における争点を絞り、文書及び証拠の開示を受け、審理対象とすべき争点を特定かつ明確化することにあります。
このDiscovery手続は、主に以下のような方法で構成されています。
1.Interrogatories
2.Inspections
3.Medical Examinations
4.Expert Witness Disclosure
5.Depositions
6.Request for Admissions
そして、これらを補足するのが、7.Duty to Supplementです。
法律文書の翻訳をしていると、actionとsuitという単語が並んで登場することがあります。
いずれも単に「訴訟」と訳される例が多いようです。
しかし、厳密には意味が異なります。
actionは、コモンロー上の訴訟です。
suitは、エクイティ上の訴訟です。
したがって、両方登場する場合は、それぞれ「~上の訴訟」と訳し分けています。
「「約束」と「契約」は何が違うのか」とよく聞かれることがあります。
これらは似て非なるものです。
約束は道徳的なものです。
お互いを信頼して、ある一定の事項を約し、相手が任意にその約したことを果たしてくれることを期待することになります。
万が一期待が裏切られたとしても、それは仕方のないこととして、受け入れるしかありません。
しかし、ひとたび契約がなされると、そうはいきません。
「契約」は、法的な制度です。
道徳的なものに過ぎない約束に、法的拘束力を与えるものです。
法的拘束力を与えるということは、もし契約に定めた事項を守らなければ、以前「契約の効力」について書いた記事にあるとおり、裁判所による強制の対象となるということです。
このような強力な拘束力を与えるものであるからこそ、その成立が争われることもしばしばあります。
これについては、また機会をあらためてお話したいと思います。
「知的財産法」という名の法律はありません。
いくつかの法律群が知的財産法という分野を形成しています。
主要な法律は以下のとおりです。
特許法
実用新案法
意匠法
著作権法
商標法
不正競争防止法
これらはそれぞれ目的が異なります。
特許法、実用新案法、意匠法は、それぞれ、発明、考案、意匠の創作を奨励し、産業の発達に寄与することを目的とします。
著作権法は、著作物等の公正な利用に留意しつつ、文化の発展に寄与することを目的とします。
商標法は、商標を保護することで、使用者の業務上の信用を維持し、産業の発達に寄与します。産業の発達に寄与することは、最初の3法と同じですね。
そして、不正競争防止法は、事業者間の公正な競争を確保し、国民経済の健全な発展に寄与します。
最後の不正競争防止法は、他の5法と比べて毛色が異なります。
他の5法は、何かを保護の対象としているのに対して、不正競争防止法は、何かを保護対象とするのではなく、特定の行為を規制対象にしているからです。
これらの法律の分類方法はいくつかあります。
主には、創作法と標識法、産業財産権法と著作権法、権利付与法と行為規制法、という分類があります。
それぞれ、創作を保護するのか、(既に存在する)標識を保護するのか、産業の発展に寄与するのか、文化の発展に寄与するのか(また、アイデアを保護するのか、表現を保護するのか)、そして、上記で触れたとおり、権利を保護するのか、行為を規制するのか、という観点の分類方法となります。
各法を読み解く際に、上記の観点を踏まえると、よく理解することができます。
アップル対サムスンの事件で有名になった言葉です。
Fair, Reasonable And Non-Discriminatoryの頭文字をとったものです。
それぞれ「公正」「合理的」「非差別的」を意味します。
ある技術について、特許出願をする一方で、当該技術を基に国際標準・規格を創設しようとすることがあります。
このとき、その国際標準・規格に適合しようとすれば、当該特許の実施が不可避となる場合があります。
そうすると、その国際標準・規格に適合しようとする他の事業者は、特許権者に対してロイヤルティを支払って、特許の実施許諾を受けることが必要となります。
このときに、国際標準・規格に適合しようとする事業者の足元を見て、特許権者が非常に高額なロイヤルティを設定するインセンティブが働くことが想定されます。
これを避けるため、実施許諾については、公正、合理的かつ非差別的な条件で行うこと、つまりFRAND条件で実施許諾を行うことを宣言させるということが行われています。
これがFRAND宣言というものです。
このFRAND宣言をしているのに、特許権者が不当な権利行使をしたり、高額な損害賠償請求をしたりしてきたときに、FRAND宣言をしていることをもって抗弁とすることがあります。
なお、FRAND宣言の根拠は、根拠は権利濫用の禁止(民法1条3項)とされています。
権利濫用の抗弁とはせず、敢えてFRAND宣言の抗弁としているのは、前者は主観的態様を含め総合考慮をすることを前提とするのに対し、FRAND宣言は特定の要素に着目して類型的に判断する点で異なるためと言われています。