知的財産法の構成

「知的財産法」という名の法律はありません。

いくつかの法律群が知的財産法という分野を形成しています。

主要な法律は以下のとおりです。

特許法
実用新案法
意匠法
著作権法
商標法
不正競争防止法

これらはそれぞれ目的が異なります。

特許法、実用新案法、意匠法は、それぞれ、発明、考案、意匠の創作を奨励し、産業の発達に寄与することを目的とします。

著作権法は、著作物等の公正な利用に留意しつつ、文化の発展に寄与することを目的とします。

商標法は、商標を保護することで、使用者の業務上の信用を維持し、産業の発達に寄与します。産業の発達に寄与することは、最初の3法と同じですね。

そして、不正競争防止法は、事業者間の公正な競争を確保し、国民経済の健全な発展に寄与します。

最後の不正競争防止法は、他の5法と比べて毛色が異なります。

他の5法は、何かを保護の対象としているのに対して、不正競争防止法は、何かを保護対象とするのではなく、特定の行為を規制対象にしているからです。

これらの法律の分類方法はいくつかあります。

主には、創作法と標識法、産業財産権法と著作権法、権利付与法と行為規制法、という分類があります。

それぞれ、創作を保護するのか、(既に存在する)標識を保護するのか、産業の発展に寄与するのか、文化の発展に寄与するのか(また、アイデアを保護するのか、表現を保護するのか)、そして、上記で触れたとおり、権利を保護するのか、行為を規制するのか、という観点の分類方法となります。

各法を読み解く際に、上記の観点を踏まえると、よく理解することができます。