自社で雛形を用意しておくことのメリットは何でしょうか。
それは、自社にとって都合のよい土俵、つまりホームで戦うことができるということです。
自社で用意する雛形の内容を誰よりもよく知っているのは自社です。
その特性を最大限に生かして、交渉に臨むことができるのです。
自社で譲れない点は厚く保護し、他方で妥協できる点を把握しておくことで、交渉は有利に進めることができます。
相手方の契約書の雛形を使用せざるを得ない場合は、自社雛形の場合と比べて、慎重に審査する必要があります。
それは、相手方の土俵で戦うことと同じであり、いわばアウェーでの交渉となるからです。
相手方はその雛形の内容を知り尽くしています。
自社にとって最大限有利になるかたちで雛形を用意しているはずです。
どこに肝があるのか、自社にとってのリスクがあるのか、相手方の立場に立ってどういう観点からこの雛形を作成したのかということに思いを馳せ、相手方の戦略を想像してみます。
その上で、自社のメリット、譲れない線を考えて、お互いを尊重し合って、WinWinとなる最終的な着地点を目指すことになります。
契約を締結しようとする際には、可能な限り自社の雛形を使うようにした方がよいでしょう。
そして、日頃から実務でのリスクや法改正を把握し、適宜雛形のメンテナンスをしていくことで、自社にとってより有利にビジネスを進めていくことができるようになります。