契約の効力

契約書を作成することを考えたとき、わざわざ内容を法務に審査をしてもらって、相手方と何度も交渉をして、いざ代表者の方に捺印や署名をしてもらおうとすれば、決裁手続があって、と、契約締結までにはたくさんのハードルがあります。

ここまで慎重にならなければならないのには、ちゃんと理由があります。

それは、法律が契約に強い効果を認めているからです。

単なる約束にはない効果です。

契約で決めた事項が果たされなかった場合に、契約書を裁判所にもっていけば、裁判所が相手方に約束を果たすよう強制してくれます。

なぜ、ここまで強い効果が与えられているのでしょうか。

それは、契約は、両当事者が合意した取決め事項がその内容になっているからです。

お互い合意したのだから、ちゃんとその合意事項を守りましょう、守らない人がいれば、法律がその人が約束を守るよう強制します、ということなのです。

(ローマ時代のラテン語では”pacta sunt servanda”(合意は守られなければならない)という法諺もあります。)